教育振興基本計画28

皆さんこんにちは。

令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。

そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。

特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。

本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。

Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策

(目標、基本施策及び指標)

目標11 教育 DX の推進・デジタル人材の育成

やっとやってきました。当社の真骨頂。私の部署も教育DX推進部です。計画をご紹介する中でも何度もお伝えした通り、今後の社会を生き抜くためには情報活用能力が不可欠です。

それでは、求められている「情報活用能力」とはどのようなものでしょうか。世の中にはあらゆるメディアがあふれています。インターネット上でどれだけ知識を得られるか、も情報活用能力ですが、あらゆるところから、きちんと自分の考えをもって調べてこられるのも情報活用能力でしょう。

インターネットできっかけを得たとして、それが本当かな、と本や過去の映像を調べたり、論文にアクセスしたりして、本物に会う、触れられる機会を得るためにはどうすればいいか、と考えていけるような子どもたちを育てたいですね。そして、どのような資料もそれを奉るのではなく、批判的な思考で冷静に見ることが大切です。よくある理論のすり替えの、「かわいそうだから何とかしてあげて」という裏の本質的な課題を見抜く力が必要ですね。

基本施策がたくさんあります。以下の通りです。

  • 1人1台端末の活用
  • 児童生徒の情報活用能力の育成
  • 教師の指導力向上
  • 校務 DX の推進
  • 教育データの標準化
  • 基盤的ツールの開発・活用
  • 教育データ分析・利活用及び先端技術の利活用
  • デジタル人材育成の推進(高等教育)
  • 教育環境のデジタル化の促進(高等教育)
  • 社会教育分野のデジタル活用推進

1人1台の活用が一番上に来ていますね。実際に1人1台端末を持っているのですから、それを活用して、GIGAスクール構想を強力に推進する、と書かれています。やる先生とやらない先生、やる自治体とやらない自治体、で格差がとにかく広がっている現在、住んでいる場所によって、1人1台端末の活用にここまで差が出るというのは義務教育としていかがなものでしょう。

文部科学省もそれを課題と捉えています。

一昔前は、「〇〇先生が授業でICT活用したらこっちがなんでやってないの、って怒られるから使わないで」などという冗談が聞こえてきていましたが、最近は聞くことが少なくなりました。先生方が多忙で大変だということはわかっていますが、何とか活用が広がるように我々は全力でご支援したいと考えています。

指標は以下8点です。数値目標が入っている、「全国の運営支援センターのカバー率」ですが、令和6年度までに100%カバーする、ということになっています。つまり、全国どの自治体でも、ヘルプデスク業務を、運営支援センターに任せられるようにする、ということですね。単独でヘルプデスクが持てない自治体は、共同調達、共同でカバー、ということが想定されています。

共同調達は音頭を取る人がいないととても難しいのですが、(とる人がいても利害関係の調整はとても難しいのですが)ここを乗り越えてヘルプデスクが手に入れば、先生方の仕事は楽になると考えられます。どうかぜひご検討ください。我々も全力でご支援いたします。

  • 児童生徒の情報活用能力(情報活用能力調査の能力値)の向上
  • 教師の ICT 活用指導力(授業に ICT を活用して指導する能力、児童生徒の ICT 活用を指導する能力)の改善
  • 児童生徒一人一人の特性や理解度・進度に合わせて課題に取り組む場面での ICT 機器の活用頻度の増加
  • 児童生徒同士がやりとりする場面での ICT 機器の活用頻度の増加
  • ICT を活用した校務の効率化の優良事例を十分に取り入れている学校の割合の増加
  • ICT 機器を活用した授業頻度の増加
  • 全国の運営支援センターのカバー率の増加(令和6年度までの目標値:100%)
  • 数理・データサイエンス・AI 教育プログラム(応用基礎レベル)の認定プログラムにおける1学年当たりの受講対象学生数の増加

来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。

投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。