【2026年版】教育情報化の最新トレンド -文部科学省・デジタル庁の動きを横断整理-
新年度が始まって約1か月。環境の変化があった方々も少し落ち着いた頃ではないでしょうか。
このブログでは昨年5月に「2024~2025年 教育関連の調査・報告書まとめ」という記事を3本立てで公開しました。
ありがたいことに、ITCE(教育情報化コーディネータ)3級やICT支援員認定試験を受験した方から「時事問題で押さえておくべきポイントが分かった」といった反響をいただきました。
ちょうど1年経った今、改めて最近の動向を振り返りたいと思います。教育情報化に関するものを中心にピックアップしました。
今回も6月のITCE3級、ICT支援員認定試験を受験予定の方にとっては、時事問題の参考になるかもしれません。目次から気になる項目を選んでお読みいただくのもいいと思います。
あえてトピック紹介に留めますので、詳細や正しいニュアンスはリンク先をお読みください。
- 1. 予算
- 1.1. 令和8年度予算
- 2. 法律
- 2.1. 教師を取り巻く環境整備について
- 2.2. デジタル教科書が正式な「教科書」に
- 3. 学習指導要領改訂
- 3.1. 教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)
- 4. 全国学力・学習状況調査
- 5. 高等教育
- 5.1. 高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)~2040年に向けた「N-E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想」~
- 6. デジタル庁の動向
- 6.1. 教育DXロードマップ
- 6.2. 国家資格等のオンライン・デジタル化
- 7. 各種調査
- 7.1. 学校基本調査-令和7年度 結果の概要-
- 7.2. 令和6年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果
- 7.3. 令和7年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果について
- 7.4. 中学校35人学級の実施に伴う教室確保の状況に関する調査結果
- 8. インターネットトラブル
- 8.1. インターネットトラブル事例集 2026年版
- 8.2. プチ学習会
- 9. その他
- 9.1. 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)
- 9.2. AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針の策定について
- 9.3. ローマ字のつづり方
- 10. 最後に
予算
令和8年度予算
令和8年度予算(https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420672_00001.html)
予算を見れば、文科省が今年度何にどれだけお金をかけて施策を進める計画なのかを読み取ることができます。
教育の情報化や、ご自身が興味のある項目がどうなっているか見てみるとよいと思います。
法律
文科省から国会に提出された法律、その上で成立した法律があります。
教師を取り巻く環境整備について
教師を取り巻く環境整備について(https://www.mext.go.jp/a_menu/01_q.htm)
令和7年に「給特法」等の改正法が成立しました。この改正法では約50年ぶりとなる教員給与の引き上げ、働き方改革の取り組みの「見える化」などの実現が進められることとなりました。
令和8年には中学校1学級あたりの人数を40人から35人に引き下げ、教職員定数を改善する法律が成立しました。
リンク先は教員の働き方改革等に関する情報がまとめられています。
デジタル教科書が正式な「教科書」に
学校教育法等の一部を改正する法律案(https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/mext_03491.html)
学校教育法の一部改正により、令和9年度より紙だけでなくデジタルな形態も「教科書」となります。
デジタル教科書については下の記事で紹介しています。法案成立前の記事ですが、要点はお分かりいただけると思います。
デジタル教科書の制度、今後どう変わる?【WG審議まとめのポイント】
学習指導要領改訂
今まさに、学習指導要領の改訂に向けて様々な議論が進められています。
改訂の流れについては次の記事を参考にしてください。
学習指導要領改訂の流れを解説!2025年秋の現在地は?
教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)
これまで、中央教育審議会(中教審)の「教育課程企画特別部会」において教育課程の枠組みや教科横断的な事項に関して審議が進められてきました。
昨年9月時点での検討結果や、今後の検討の前提情報をまとめたものがこの資料です。一人一台端末やクラウド環境など、デジタル環境を前提とした学習基盤のさらなる整備や、学習指導要領そのもののデジタル化を進める必要性が示されています。
少なくとも「論点整理のポイント」は必ず目を通すべき資料です。
全国学力・学習状況調査
義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析すること等を目的に、毎年実施している調査です。
小学6年生(国・算:毎年、理:3年に一度)、中学3年生(国・数:毎年、理・英:3年に一度)を対象として、すべての学校で行われます。
昨年度は「中学校理科」で初めてIRTを用いた調査が行われ、今年度は「中学校英語」で初めてCBT方式での調査が行われました。
中学校理科で採用されたIRT方式についてはすぐ下に掲載している記事をお読みください。結果については下記リンク先をお読みください。
令和7年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料(https://www.nier.go.jp/25chousakekkahoukoku)
また、中学校英語のCBT方式での実施方法については、下記リンク先の資料を読むのがよいでしょう。
R7全国学テ「中学校理科」平均IRTスコアは505! 注目ポイントは?
高等教育
高等教育とは、高等学校や専修学校、大学等での教育を指します。
高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)~2040年に向けた「N-E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想」~
高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/1358056_00005.htm)
高等教育において最も注目すべきトピックはこちらでしょう。
初中等教育ではGIGAスクール構想が進められて数年経ちますが、高等教育において2040年に焦点を当てた改革の方向性が定められました。
デジタル庁の動向
「教育といえば文部科学省」とイメージしがちですが、様々な施策で他の省庁と連携しています。ここではデジタル庁が公表している教育関連の事柄をご紹介します。
教育DXロードマップ
「教育DXロードマップ」を策定しました(https://www.digital.go.jp/news/511df327-5ba3-456e-a5cd-2ebeddd8c960)
教育DXにより「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会」を実現することを目指し、関係省庁が連携して施策を推進するためのロードマップです。
ロードマップの読み解き方は、次の記事を参考にしてください。
【やさしく解説】教育DXロードマップの読み解き方
国家資格等のオンライン・デジタル化
国家資格等のオンライン・デジタル化(https://www.digital.go.jp/policies/government-certification#certification)
2026年度以降順次、教員免許のデジタル化手続きが可能となります。
各種調査
毎年文科省が調査しているものがたくさんあります。その内、3つご紹介します。
学校基本調査-令和7年度 結果の概要-
学校基本調査-令和7年度 結果の概要-(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/2025.htm)
全国の児童生徒や教員の人数、女性管理職の割合等の推移を確認できます。
令和6年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果
令和6年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00080.html)
学校におけるICT環境の整備状況や、教員のICT活用指導力を毎年調査しています。
この調査結果は令和7年3月時点のものです。
文科省は令和7年度末(令和8年3月)までに「必要なネットワーク速度を確保済みの学校を 100%にする」という目標を設定しているのですが、詳細は下の記事で解説しています。この調査後の変化にも注目したいところです。
令和7年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果について
各学校で年間または週あたりで何コマの授業をしているか把握したうえで、学習指導要領の改訂を含めた今後の教育課程に関する政策の改善・充実の参考とするために実施されています。
「必要以上に授業時数が多い学校は、時数を減らす前提で点検してね」という国のスタンスを読み取ることができます。
中学校35人学級の実施に伴う教室確保の状況に関する調査結果
中学校35人学級の実施に伴う教室確保の状況に関する調査結果(https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2024/mext_00009.html)
これは毎年行われている調査ではありません。
「法律」の項目で触れたように、中学校1学級あたりの人数を40人から35人に引き下げる法律が成立しました。1学級あたりの人数が減ることで、1学年あたりの学級数が増える場合があります。
対応が必要な学級数はいくつあり、どうやって確保するのかを調べたのが本調査です。
本調査は部屋の数のみに焦点を当てていますが、増えた教室のネットワーク環境整備も必要になることは、ITCEやICT支援員を目指す方は抑えておきましょう。
インターネットトラブル
国の施策という訳ではありませんが、昨今問題となっているトラブルについて関心を寄せておくことは、自身や子どもたちの身を守るために大切です。
インターネットトラブル事例集 2026年版
インターネットトラブル事例集 2026年版(https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble)
こちらは総務省のサイトです。
ディープフェイクやオンラインカジノなど、ここ1~2年でよく耳にしたトラブル事例と、被害者・加害者にならないために気を付けることなどが分かりやすくまとめられています。
プチ学習会
プチ学習会(https://www.mext.go.jp/studxstyle/special/p_gaku.html)
文科省が公開する先生向けの学習資料です。先生方が業務の合間に短時間で研修に参加できるよう作られたコンテンツです。
最新のテーマは「SNS上における暴力行為等の動画の投稿・拡散事案」。児童・生徒向けの資料も紹介されています。
その他
教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)
「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」公表について(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1397369.htm)
「教育情報化セキュリティポリシー」は、時代の要請に合わせて改訂が繰り返されています。
リンク先から現在の最新版である令和7年3月版を確認できます。
また、1つ前の令和6年1月版についての解説を、ITCE1級保持者であり当社常務の大江が、自身のブログシリーズ「HBI通信」で公開しています。
教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和6年1月)
AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針の策定について
我が国の「科学の再興」を実現し国際競争力の確保・強化を図るために、研究活動における AI利活用(AI for Science)を国家戦略として体系的に推進するための基本的方向性が示されたものです。
ローマ字のつづり方
ローマ字のつづり方(https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/index2.html)
こちらは文科省のサイトです。昨年12月にローマ字のつづり方のよりどころとある資料が新しくなりました。必ずこの通りに表記しなければならない、というものではありませんが、これから公表される公文書等にはこちらの規則に従ったものが増えると考えられます。
最後に
この記事では、この一年間の教育情報化に関連するトピックをご紹介しました。
これから最新情報を追い始めたい、という方は、まずは各リンク先に掲載されている資料を実際に見ることが大切です。それぞれ概要資料のみでも良いので、「とりあえず見てみる」ことです。文科省の資料の形式に触れることで徐々に慣れていき、少しずつ何が書いてあるかが分かるようになってくると筆者は感じています。
投稿者プロフィール

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株式会社ハイパーブレイン 総務部広報課 主任
教育情報化コーディネータ(ITCE)3級
元中学校理科教員。正社員として入社後、パートへの勤務変更、海外からのテレワーク、産休・育休取得を経て2024年にフルタイム正社員として復帰しました











