R7全国学テ「中学校理科」平均IRTスコアは505! 注目ポイントは?
文部科学省が毎年実施している全国学力・学習状況調査(以下、全国学テ)。今年度の調査においては、7月中旬に全国平均等が、7月末には分析結果が公表されました。
そして、8月20日・21日に、分析結果を踏まえたオンライン説明会*1が実施され、先日、その説明会資料が公開されました。本記事では、今年度の全国学テ「中学校理科」の結果について、分かりやすくご紹介します。
この記事の想定読者は次の方々です。
- 全国学テ「中学校理科」の分析結果に興味はあるものの、資料を一から自力で読み解く時間がない方
- 全国学テ「中学校理科」について、とりあえずザックリ把握したい方
- IRTが分析にどう活用されたのか、概要を知りたい方
一方、分析結果をじっくり理解したい! という方は、国立教育政策研究所が公表する説明会資料*1をご自身でチェックされることをおススメします。
また、「なんで中学校理科に注目する必要があるの?」「IRTって何?」という方は、下の記事で解説していますのでご覧ください。
令和7年8月に、指導改善のための説明会が実施された
今回ご紹介するのは、「令和7年度全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会」で使用された資料です。この説明会では、タイトルの通り、7月に公開された結果をもとに、学習指導を改善・充実させるために必要な情報が説明されました。
「(4)説明資料」に掲載されている資料から、注目ポイントを3つピックアップしてご紹介します。
令和7年「中学校理科」結果の注目ポイント
全国平均IRTスコア
今年度からIRTというテスト理論を利用して実施された「中学校理科」。この理論を使うと、異なる問題から構成される試験・調査の結果を、同じものさし(尺度)で比較することができます。
初回である今年度の結果は次のようになっています。

実は、筆者は結果公表前の説明資料を見て、「初回の全国平均IRTスコアは必ず500になるよう調整されるはずだ」と理解していました。そのため、7月14日に公表された実際のスコアを見た時、「なぜ500じゃないんだ……?」と混乱していたのです。でも、上記の画像に注釈として「平均IRTスコアは、算出された各生徒のスコアを足し合わせて平均をとったものであるため、500に一致するとは限りません」と書いてあり、そういうものかと納得できました。
このIRTスコアは、生徒一人一人に対しても算出されていますが、本人に返却される個人票には「スコア:○点」とは記載されていません。個人票では、IRTスコアを5段階に区切ったIRTバンドのどこに自身が位置しているかが示されます。
ではIRTスコアの数値はどう活用するのかというと、大きく分けて2つの活用法があります。
- 今年度の学校(または自治体)の平均スコアを、全国平均505と比較する
- 来年度以降の調査結果を、今年度の全国平均505と比較する(経年比較)
もちろん数値を単純比較するだけでなく、今後さらに指導を充実させるための分析をすることが大切ですね。学校や自治体によっては、Webサイト上に分析結果を公表しているところもあります。
GP分析図から生徒の思考を読み取る
CBTとIRTを導入した調査では、詳細な結果分析が可能となります。下の画像にある「GP分析図」によって、一問一問の分析結果を示すこともできます。

例えば、次の図は「4種の微生物の写真を見て、呼吸を行う生物をすべて選択する」という設問の分析図です。(呼吸は動物も植物も行うので、4種すべてを選択するのが正答となります)

青色の「類型4」が正答です。一方で、オレンジ色の「類型1」(誤答)を選択している生徒が、IRTバンド1~3に多いと書かれています。IRTバンド4に属する生徒の約半数も、同じ誤答をしていることが分かります。
このことから、「呼吸=動物が行うもので、植物は行わない」と誤解している生徒が多いのではないか、と判断できます。これは日々の授業の中で、教師が意識すべきポイントだと言えます。
公開されている資料では、他の設問に対してもGP分析図で解説されています。筆者は元理科教員ですが、非常に興味深く読みました。
授業アイデア例を日々の指導に活用する
さて、分析結果を確認し「なるほど」と納得したら、先生方はそれを指導に生かしていくことが大切です。
資料では、日々の授業で子どもたちの学びを深めるためのアイデアが例示されています。先ほどの画像でも、右下に少し紹介されています。
下の画像では、教師が示すテンプレート(視点)に沿って振り返りを記述することに生徒が慣れたら、視点を示さなくても記述できるよう支援することも大切だ、という観点から授業アイデアが提示されています。

最後に
今回は、今年度の全国学テ「中学校理科」の結果についてご紹介しました。
来年度は「中学校英語」でもCBT、IRTが採用されます*2。「読むこと」「書くこと」「聞くこと」「話すこと」の調査があるので、音声の再生や録音も加わります。どのような分析がなされるのかは、続報を待ちたいところです。
現場の先生方は、全国学力テに限らず、校務や授業などでICT機器を日常的に活用されていることでしょう。ハイパーブレインのICT支援員は、先生方のICTに関するご負担を軽減し、児童生徒と関われる時間を増やすべくサポートさせていただきます。
また、教育委員会の行政職の方向けのご支援も行っております。より良い人材をICT支援員として各校に配置するために必要な「予算獲得のための資料作成」のコンサルティングや、採用したICT支援員により良い支援を行ってもらうために必要な「カリキュラムが整備された研修」の運用支援など、を承ります。
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参考サイト
*1:令和7年度全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会
*2:令和8年度全国学力・学習状況調査について(PDF) 全国的な学力調査に関する専門家会議(令和7年度第5回)配付資料より
投稿者プロフィール

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株式会社ハイパーブレイン 総務部広報課 主任
教育情報化コーディネータ(ITCE)3級
元中学校理科教員。正社員として入社後、パートへの勤務変更、海外からのテレワーク、産休・育休取得を経て2024年にフルタイム正社員として復帰しました
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