学習指導要領改訂の流れを解説!2025年秋の現在地は?

今回のテーマは「学習指導要領」。

学習指導要領とは、子どもたちが日本全国どこの学校に通っていても一定水準の教育を受けられるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。

およそ10年に一度改定されていて、前回の改訂は平成29・30・31年(2017~2019年)に行われました。

そして昨年末から、次の改訂に向けての議論が開始されています。すなわち、今後10年間の日本の教育の道しるべが作られようとしているのです。

教育委員会の方や学校の先生はもちろん、学校をサポートするあらゆる方にとって、「今何が起こっているのか」を知ることは重要だと言えます。 今回の記事では、学習指導要領改訂の流れを解説します。さらに、2025年秋の現時点はどの段階にあるのかについてもご紹介します。

学習指導要領改訂の流れを図で確認

学習指導要領改訂の流れを図に表すと、次のようになります。

学習指導要領改訂に関するスケジュール
文部科学省 平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)学習指導要領改訂に関するスケジュール(PDF)より

こちらは、前回の改定時のスケジュールです。これをもとに全体的な流れのポイントを見ていきましょう。

①中教審諮問

中教審(中央教育審議)とは、文部科学大臣の諮問に応じて、教育に関する重要なことを話し合い、意見や提案をするための国の会議です。そして諮問は「しもん」と呼びます。

つまり、文部科学大臣が教育等に関する重要な事項について、中教審に意見や提言を求めることを指します。

②中教審における検討

諮問された事項に関して、中教審が議論をスタートします。まずは基本的方向性等を検討するために「教育課程企画特別部会」が設置され、半年以上かけて「論点整理」がとりまとめられます。

③中教審における検討2

より細分化された会議体(ワーキンググループ)が設置され、「論点整理」をもとに各教科等の新しい学習指導要領の内容について議論されます。

各分野について約1年かけて検討され、「審議まとめ」が出されます。

④パブリックコメント

図には記載がありませんが、前回改訂時は「審議まとめ」と「答申」の間にパブリックコメントの募集期間が設けられました。

中教審の委員となるのは各分野の専門家たちですが、パブリックコメントは国民一人ひとりも自身の意見を国に伝えることができる重要なチャンスです。

⑤答申

すべての議論を経て、最終的に出される報告書が「答申」です。

⑥改訂

答申を踏まえて学習指導要領の改定案が公表され、その後に改訂されます。

⑦移行期間

学習指導要領が改訂されたら授業も変わる! というイメージがあるかもしれませんが、実際には2~3年の移行期間が設けられます。

この移行期間の間で、教科書出版者が教科書を作り、検定を受け、自治体等で採択事務を行う等の準備が行われます。

⑧実施

移行期間を経て、新しい学習指導要領に合わせた教科書を使い、新しい授業の形が各学校段階で実施されます。

次回改訂に向けた、現在の議論フェーズ

ここまでの議論の流れ

中教審諮問

令和6年(2024年)12月、「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」という諮問が出されました。*1 内容については、ページ下部の参考文献リンクから「諮問のポイント」という資料に分かりやすくまとめられています。

論点整理

令和7年(2025年)9月、教育課程企画特別部会における「論点整理」がとりまとめられました。*2

議論の現在地

2025年秋(11月)現在の議論は、先述の「③中教審における検討2」の段階にあります。

つまり、「論点整理」をもとにより詳細な議論が開始されています。 検討体制は下図のように多数の部会・ワーキンググループに分かれています。文科省の新着情報を見ると、「教育課程部会 ○○ワーキンググループ(第○回)の開催について」という審議会情報が多数掲載されており、事前申し込みで傍聴も可能です。

学習指導要領改訂に向けた検討体制
文部科学省 教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)「教育課程企画特別部会 論点整理」(PDF)P107より

今後の流れ

令和8年度(2026年度)中には「答申」が取りまとめられる予定です。

前回の改訂と同様のスケジュールで進むと仮定すると、小学校で新学習指導要領が実施されるのは令和12年度(2030年度)になりそうです。

余談ですが、令和12年は筆者の子どもがちょうど小学校に入学する年です。我が子がどんな学校教育を受けることになるのか、親としても今後の議論に興味津々です。

情報教育やICT機器活用を駆使する新教育課程へ

学習指導要領改訂に向けた議論では、中学校の「技術・家庭科」の技術分野と家庭分野を分離し「情報・技術科」(仮称)を創設するなど、情報教育のさらなる充実を図ることが検討されています。

また、デジタル教科書も正式な教科書と位置付けるなど、授業においてGIGA端末をはじめとするICT機器をより活用していくことを前提とした議論も進められています。

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参考文献

*1:初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)

*2:教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)

投稿者プロフィール

深井明理
深井明理
株式会社ハイパーブレイン 総務部広報課 主任
教育情報化コーディネータ(ITCE)3級
元中学校理科教員。正社員として入社後、パートへの勤務変更、海外からのテレワーク、産休・育休取得を経て2024年にフルタイム正社員として復帰しました