-校務支援システムの導入を考える-

 初めまして、支援員Sです。平成30年度4月より支援員日記を担当致します。
ICT支援というと、授業支援、プログラミング教育支援、校務支援など、様々なご支援がありますが、私はその中から「校務支援」についてお話ししたいと思います。
私は校務支援システムの研修会に多く立ち会います。支援員の立場からその場で感じたこと、考えたことを実例を交えつつお話しします。
これから校務支援システムの導入を検討されている方、校務システムを導入したけれど運用に迷われている方のお役に少しでも立てば幸いです。

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文部科学省の施策において、校務の情報化は重視されています。様々な場面で「校務支援システム」もしくは「統合型校務支援システム」という言葉を耳にする機会も増えたと思います。

まず、「校務支援システム」、「統合型校務支援システム」の違いを見てみましょう。

◯校務支援システム
成績管理を行うソフトウェア、保健管理を行うソフトウェアなどが個々に存在しています。それぞれに児童生徒名簿を登録する必要があり、児童生徒名など、学籍情報に変更場あった場合、個々のシステムで変更をする必要があります。

◯統合型校務支援システム
学籍管理、成績管理、出欠管理、保健管理など複数の機能を有し、各機能間を連携することでデータを一元管理します。例えば、児童生徒氏名に変更が生じた場合、学籍管理で1箇所データを変更すれば、成績管理、出欠管理、保健管理の機能へも反映され、担当者が個々にデータを修正する必要はありません。

さて、違いが分かったところで、なぜ校務支援システムの導入(統合型含む)が進められているのでしょうか。
よく掲げられているのが「校務の効率化」です。では、なぜ、「校務支援システムの導入=校務の効率化」となるのでしょうか。

メリットして掲げられる代表的なものを挙げてみます。
◯手作業の大幅削減
・学籍情報、成績データ、出欠席データ、保健データなどを一元管理することで、通知表や指導要録、児童生徒健康診断票など様々な帳票へ連動します。それによって「手書き・転記作業」を削減します。

◯学校内・学校間の連携
・メール、掲示板、スケジューラー、ファイル管理などのグループウェア機能を使用することで情報共有します。掲示板へアップロードした資料を先生方の個々の校務PCでダウンロードして会議で活用すればペーパーレスへも繋がります。
・校務支援システムの種類によっては、自治体内で同じシステムを使用し、児童生徒の転出や進学先中学校へのデータ連携などができます。

◯運用の統一化
・学校別のルール、先生方個人が工夫して成績算出をするのではなく、自治体内で同じシステムを使用すると、成績算出方法や出力帳票を統一化していくことが可能です。自治体内で人事異動があった際に、転任先の学校で新しく覚えることを減らすことができます。

このようなメリットを読むと、校務支援システムを導入すれば、すぐに「校務を効率化でき、教材準備や児童生徒と向き合う時間を確保できる、残業時間の軽減へ繋がる…!!働き方改革にうってつけだ!」と思えますが、実情は…??

結論から申し上げれば、校務支援システムを導入し、上手く活用していけば校務を効率化し、教材準備や児童生徒と向き合う時間を確保や、残業時間の軽減へ繋がります。しかし、即効性はありません。システムを上手く活用できるようなルール作りや体制作りが必要不可欠です。

長くなってきましたね、読むのが疲れたころかと思います。第1回目のお話しはここまでとしましょう。次回の第2回目では、「支援員は見た!校務支援システム導入研修会の運命はいかに…!!」をお届けしようと思います(なお、表題は変更となる場合があります。ご承知おきくださいませ)。

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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。行政職の皆さまには校務支援システムの導入と活用の様子について知っていただくきっかけになればと思っております。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。

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