教育振興基本計画26

皆さんこんにちは。

令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。

そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。

特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。

本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。

Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策

(目標、基本施策及び指標)

目標9 学校・家庭・地域の連携・協働の推進による地域の教育力の向上

地域との連携については、よく聞くキーワードです。学校が地域の中心にあり、いろいろな大人がいろいろな手助けをして多様な学校を支える、ということができればとても良いことだと思います。

ですが、世の中には子どもたちに対して害を成す人がいて、その人たちのせいで、地域が学校に近づきづらくなり、学校内部でも受け入れづらくなっているのはとても残念なことです。

そのような状態で、どうすればうまく地域と連携できるのか、ということを考えていく必要があるということですね。基本施策は以下のように挙げられています。

  • コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進
  • 家庭教育支援の充実
  • 部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向けた環境の一体的な整備

他の重点施策に比べて、トピックが少ないように思います。地域連携はまずとにかく地域と連携して、そのうえで出てきた課題をクリアしていくという段階にあると考えられます。よって、指標も数値目標は設定されておらず、項目数も少なめです。

  • コミュニティ・スクールを導入している公立学校数の増加
  • 地域学校協働活動本部がカバーしている公立学校数の増加
  • 学校に対する地域や保護者の理解が深まったと認識している学校の割合の増加
  • コミュニティ・スクールや地域学校協働活動に参画した地域住民等の増加
  • 子供をめぐる課題に応じた目標を設定し、その目標を達成した自治体の割合の増加
  • 保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講じている自治体数の増加

来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。

投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。