学校教育の情報化の実態化に関する調査 トピックス1

みなさんこんにちは。
今回からは学校教育の情報化の実態化に関する調査 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/jouhouka/kekka/1260031.htm
についての掘り下げたお話をさせて頂ければと思います。

教室イメージ

昨夏、平成28年3月1日現在の学校教育の情報化の実態化に関する調査の結果が文科省より発表されましたが、驚いたのは

  • ・教育用パソコン1台当たりの児童生徒数
  • ・普通教室の無線LAN整備率
  • ・普通教室の電子黒板整備率

が、各市町村単位のランキング形式で発表されたことです。
参照:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2016/10/13/1376818_3.pdf

その中でも特に目を引いたのが
・普通教室の電子黒板整備率 222.6% 佐賀県みやき町
http://www.town.miyaki.lg.jp/です。
数字だけを見ると普通教室1教室に2台以上電子黒板が整備されているという状態です。
それは一体どのような整備が行われたのだろうと非常に興味がわき、調べられる限り調べてみることにしました。

佐賀新聞によると
http://www1.saga-s.co.jp/news/saga.0.2435272.article.html

  • 2009年度(平成21年度)に各校1台ずつ電子黒板を整備
  • 2013年度(平成25年度)に町内の小中学校7校の全ての普通教室や特別教室に電子黒板を導入

とあります。

佐賀県によると
http://www.pref.saga.lg.jp/kyouiku/kiji00332836/index.html
総工費440,475,000円で

  • ・大型電子黒板130台(84インチ埋め込み式と架台式)
  • ・タブレットPC648台
  • ・書画カメラ172台

を整備した。とあります。
文科省の調査ではみやき町には小学校1校当たり20.25台の電子黒板が配置されているということですから、小学校は全部で81台、中学校1校当たり19台ですので中学校は全部で57台、計138台ということになります。21年度導入の電子黒板も現役だということですね。

そこで、各校のクラス数を各校のホームページ等、公開されている情報で調べてみました。

  • 中原小 17クラス(28年4月)
  • 北茂安小 18クラス(25年4月)
  • 三根東小 8クラス(28年4月)
  • 三根西小 10クラス(28年4月)
  • 中原中 10クラス(不明)
  • 北茂安中 10クラス(28年4月)
  • 三根中 8クラス(28年4月)

合計81クラスですが、これは「普通教室数」ではありません。
特別支援学級などは元特別教室を改造し、パーテーションで区切るなどしたクラスも存在するため、正確な普通教室数は残念ながら調べられませんでしたが、とにかく勉強する教室に電子黒板は1台必ず存在していることがわかります。
 クラス数を調べるため学校だよりをたくさん読みましたが、4月冒頭のあいさつで「ICT機器をしっかり活用」と掲げている学校がたくさんありました。うらやましい環境です。
 また、特別教室の中でも理科室や美術室といった定番の教室から体育館まで校舎のあちこちでの活用が紹介されていました。
84インチというとても大きな電子黒板ですから、容易に動かせないことが想像できます。
必要な個所に設置されていて、使いたいときにすぐ使える環境であると推測されます。

平成26年9月発行の「教育委員会だより」には1面トップに
「電子黒板整備率100%」の文字がみえます。
非常に大きな電子黒板が教室の窓側に設置されています。
一般的に窓側は常設でないとできない配置です。電子黒板導入前の普通教室のそこは教員の机の定位置でした。
みやき教育委員会だより
http://www.town.miyaki.lg.jp/var/rev0/0001/7826/2015241762.pdf

また、みやき町のHPにはICT機器整備計画が公表されており、
みやきICT機器整備計画
http://www.town.miyaki.lg.jp/kodomo/_1025/_1102/_1988.html

電子黒板は「全学級」100%達成と公表されています。
 クラス数の増減はきっとありますし、特別支援学級も設置基準の変更で増えることも多いと思いますが、それでも100%と言い切れる台数が確保されているという素晴らしい環境であることが公開された資料から読み取れます。

 もともとは定住促進、地域振興のためには教育に力を入れる、という方針からICT機器の整備が始まったということですが、ICT推進委員を中心に、先生方の活用能力もどんどん上がっているとのことです。
 地方は何もしなければどんどん人口が減少していくというのが現状です。
各地で特徴的な取り組みがなされる中、みやき町の電子黒板の整備率は日本一という結果が出ました。
導入から3年以上経ち、現在活用がおそらく多様化し、非常に効果的な授業が行われているのではないかと思います。

 今後も発表資料に注目して、行政職の皆様のお役に立てる記事をお伝えしていきます。

投稿者プロフィール

株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。