試行錯誤はプログラミング的思考と非常に親和性が高いです

皆さんこんにちは
2018年3月30日に公開された「小学校プログラミング教育の手引き(第一版)」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htmについてご説明をさせていただきたくおもいます。
2020年より小学校でのプログラミング教育が必修化されることになりましたが、現場でプログラミング教育の経験があるのはごくわずかの先生方となります。
そこで、この手引きでは「学習指導要領や同解説で示している小学校段階のプログラミング教育についての基本的な考え方などをわかりやすく解説し、教師がプログラミング教育に対して抱いている不安を解消し、安心して取り組めるようにすることをねらい」としているとあります。
安心して準備や実践に取り組んでいただけるよう、ご説明をさせていただきます。

未来に向かって伸びる力イメージ

 本日は 第3章 各教科等の目標・内容を踏まえた指導の考え方B 学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの をご説明させていただきます

B-① 様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面(音楽 3年~6年)

音楽づくりの題材においてプログラミングによってまとまりのある音楽を作った後、作った音楽を実際に自分たちで表現し、それぞれの表現の良さを認め合う学習が想定される、とあります。

 音楽づくりは実際に多彩な楽器を使って行う活動と、パソコン上で仮想の楽器を使って行う活動がある、という紹介があるわけですね。何事も実物に触れるのは非常に重要ですが、ではここでなぜプログラミングによって活動するか、ということを考えないといけません。
 プログラミングが得意なのは「試行錯誤」と「可視化」です。
 「ドンドン」「ドンドコ」「ドドンコ」というリズムパターンを耳で聞いただけで理解するのが難しい児童もいますね。それを「何回繰り返す」「順番の組み合わせを変える」等実際に演奏する=耳で聞いて理解する というだけではなく、画面上で繰り返しの数を変える、順番を変える、ということが視覚化されると理解の助けになります。
 演奏の技術を高めることが問題ではなく、リズムを作るのが目的の場合、パソコン上で簡単にパターンを変えて試せる、というのは子供たちにとってもやりがいがあることですね。
 これに慣れれば、音の長さや高さ、強弱、速度を変えてみたりして表情豊かな旋律を作り出していく、という活動にも使えますね。
 授業の目的に応じてこのようにプログラミングを取り入れられれば非常に効果的です。

B-② 課題について探求してわかったことなどを発表(プレゼンテーション)する学習場面(総合的な学習の時間)

 については、「課題について探求してわかったことや考えたことなどを、プログラミングによって、より分かりやすく効果的に発表(プレゼンテーション)する資料を作成」するとあります。
 まとめを作成する段階での試行錯誤がまさにプログラミング的思考だ、ということでした。
 例えば、「どのような内容を紹介するか」については児童は多くの経験を積んでいると思いますが、「どのような方法で紹介するか」「発表をスムーズに行うためにどうするか」については試行錯誤の連続ですね。
 投影がいいのか、タッチパネルの電子黒板がいいのか、紙がいいのか、実物を見せるのか等、方法について一番良いものを考え、試し、採用していくというプロセスはまとめの段階で考える機会が多いです。このあたりの指導方法を、「プログラミング的思考」という文脈で読みなおしてみると、先生方も発見が多いのではと思います。

 このように、実は今までやってきた活動がプログラミング的思考でした、というような気付きは様々な教科で発生すると考えられます。
 気合を入れて、プログラミング言語を学ばなきゃ、というのではなく、今までやってきたことの捉えなおしで、よりよい授業の方法が見つかるかもしれない、というきっかけにしていただければと思います。

 ご質問、疑問点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。ご一緒に歩を進めていくことでよりよいプログラミング教育の取り組みができればと思っております。

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