教育振興基本計画32
皆さんこんにちは。
令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。
そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。
特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。
本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。
Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策
(目標、基本施策及び指標)
目標15 安全・安心で質の高い教育研究環境の整備、児童生徒等の安全確保
学校が安心で安全な施設である、ということは最近とても重要になってきています。児童生徒が学校で安全を脅かされるのは避けたいですね。その安全というのは、様々な安全があります。耐震補強されている、階段に手すりがある、トイレが洋式である、エアコンが整備されている、など、施設面での安全はもちろん必要ですよね。心理的安全はどうでしょう。学校に安心して登校するための仕掛けはいつの時代も重要です。さらに、災害時にどう対応すればよいか、ということから、普段の登下校に気を付けること、犯罪に巻き込まれないこと、犯罪を実行しないことなどの安全教育も必要です。
学校がやるべきことは近年増える一方ですね。家庭でできることは家庭で実施すべきだと思いますが、子どもたちにとって長い時間を過ごす学校で、火事や地震が起こった、というときの避難訓練などはどうしても学校で実施せざるを得ません。
子供のころは訓練なんて、と思っていましたが、現在訓練の重要さをしみじみ感じています。一度避難しておけば、「あそこをああいう風に行く」とイメージできるので、実際に避難しなければならないとき(頭の中がかなりパニックになっていたとしても)のスムーズさがまったく違うと思います。
その中で基本施策として挙げられているのは以下の通りです。
- 学校施設の整備
- 学校における教材等の充実
- 私立学校の教育研究基盤の整備
- 文教施設の官民連携
- 学校安全の推進
教材の充実、には図書館の充実が含まれています。上であまりに安全中心で話をしていますが、ここでは「安全安心で質の高い」教育の充実が取り上げられているので、図書館の充実はとても必要ですね。指標は以下の通りです。
- 老朽化が著しい公立小中学校施設の老朽化対策の実施率の向上
- 教育研究活動に著しく支障がある国立大学法人等施設(ライフラインを含む)の老朽化対策の実施率の向上
- 私立学校の耐震化の推進(早期の耐震化完了)
- 事業に関する中期的な計画を評議員会の議決を経て策定している大学・短期大学等を設置している学校法人の割合の増加(再掲)
- 学校法人における外部資金獲得状況の改善
- 学校管理下における障害や重度の負傷を伴う事故等の発生件数の減少
- 学校管理下において死亡する児童生徒等の数を限りなくゼロにする
来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。とうとう最後です。
投稿者プロフィール
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株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
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