次世代校務DXガイドブック9

皆さんこんにちは。

2025年3月(令和7年3月)に 次世代校務DXガイドブック-都道府県域内全体で取組を進めるために- が公開されました。

サブタイトルにある通り、「都道府県域内全体」での取組が重要である、という認識のもと「学校、首長部局、関連事業者等の幅広い関係者との共通認識を図る」ために使える資料です。行政職の皆様におかれましては、「どうして話が通じないんだ」と困られることもあるでしょう。それを手助けしてくれる資料となりますので、ご一緒に確認していきましょう。

2.次世代校務 DX を実現するために必要な取組

2-2.環境整備を伴う校務 DX の実施

(3)次世代校務 DX 環境の整備

関連システムの共同調達・共同利用に向けた事前検討

次世代の整備は「ビジョンの達成に資するものであるかどうかという観点に基づいて行うことが必要」とガイドラインにあります。

整備の要素をもう一度挙げると、以下の4点になります。

  • 強固なアクセス制御に基づくセキュリティ対策の実施
  • ネットワーク統合
  • クラウド型校務支援システムの整備
  • データの可視化・利活用を行うための機能の整備

これら4点に含まれる次世代校務 DX 環境関連システムについては都道府県域での共同調達が効果的です。

事前検討による共通仕様と、各教育委員会での個別に検討する仕様部分を切り分けて考える必要があります。

そして、個別検討する仕様について、変更可能な範囲をできる限り小さくすることが大切です。共同調達のメリットが少なくなるので、ということはご理解いただけると思います。

さて、クラウド型校務支援システム、データ連携基盤、認証基盤等に関しては、共同調達を実施するメリットがとても大きいです。これらが揃っていると、教員は異動後も今よりはスムーズに仕事を実施できます。

また、強固なアクセス制御による対策を実現するセキュリティソフトウェア等を共同調達するとコスト面でのメリットが考えられます。

取り組み事例として長崎県と山梨県が紹介されていますが、両県に共通しているのは

・現場との対話を重視し、丁寧な説明を繰り返す

ことです。長崎県は、教育長会議や指導主事会議で繰り返し説明したこと、山梨県では市町村に出向いて説明したことが取り上げられています。(他にもことあるごとに丁寧な説明が実施されたことが記載されています)

「共同調達」で思い浮かべるものは人によって違いますので、そこの擦り合わせがとても重要です。誰も誰かを苦しめるために仕事をしているわけではなく、共同調達には(初期は大変なことがあっても)長い目で見れば教職員のため、つまり、子どもたちのためになるメリットが大きいことを理解して進める必要があります。

来週はこの続きを読んでいきます。

投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。