教育の情報化ビジョン「着実な情報化」に必要なこと

皆さんこんにちは、教育の情報化ビジョンについてご説明するシリーズは今回でひとまず終了します。本日は「学校教育の着実な情報化に向けて」部分の解説となります。

 

さて、新しい技術を導入する際には、事前にいくら想定していても、思いもよらないことはいくらでも起こり得ますね。ですので、国もいきなり「全国津々浦々」にすべてのICT機器を導入するということは行いません。予算も莫大になるし、あとから発覚したことに対して対策はなかなか取れないというのは教育行政の現場で働く皆さんにはひしひしと感じられることではないでしょうか。

 

そこで、

の2つの実証実験が行われました。実証実験の結果は報告書やガイドラインにまとめられていますが、これらは導入前に知りたいことが詰まったものになっています。

 

フューチャースクールの第1回報告書が出たのはもう5年前ですが、未だに鮮明に覚えている内容があります。「一人一台タブレットPCを導入した場合、子どもに所属させて進級させるかクラスに所属させて進級させるかを決めておかないと、年度更新時に非常に困る」ということでした。言われてみればごもっともなのですが、確かに実際に年度更新を迎えてみないと気付けない部分だなと目からうろこが落ちた思いです。

 

国が事前に実証実験を行うのは、時間がかかるので何とかならないか、という気分も出てくるのですが、きちんと気を付けるべき点をまとめて報告書にしてもらえるのはとてもありがたいことですよね。

実験をいくらしてもきっと現場では何か起こるのですが、その何かができるだけ減って、現場や教育委員会の負担ができるだけ少なくスムーズに教育の情報化を行うための方針が示されています。

 

教育の情報化を推進するために、非常に役に立つ視点の「教育の情報化ビジョン」ですが、非常に画期的な資料だという点でも行政職の皆さんに、まずは「概要」を読んでいただきたいと思います。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/__icsFiles/afieldfile/2011/04/28/1305484_02_1.pdf(リンク先PDF)

 

国が「○○をしましょう」というだけでは地方自治体の予算は取れません。どういう見通しでどう考えているから○○を推進しましょう、という説明が必要で、その説明の根拠が「国が出した、策定した」この文書です、ということができるのは説得力がありますよね。

 

教育の情報化ビジョンについてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

行政職の皆さんが困ったり悩んだりされていることの、少しのヒントやきっかけになってくれればこんなうれしいことはありません。

次回からは「教育の情報化に関する手引き」についてご説明させていただければと思います。

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