ICT教育についてY先生に聞いてみた!

皆さん、はじめましてICT営業担当のMです。
私は教育委員会様や情報教育に精通している専門の先生とのコミュニケーションをメインに自治体のご要望に合わせ、最適な提案などをさせていただいております。
そのため、私からはいつもとは少し違う、教育の情報化を目指す自治体担当者様の意見などをご紹介できればと思います。

題して、『ICT教育についてY先生に聞いてみた!』です。Y先生にGIGAスクール構想の課題や働き方改革について先生目線でのご意見をいただきました。

第一回『GIGAスクール構想に向けて』、第二回『課題と対策』、第三回『働き方と他者意識』と3回に分けてお送りいたします。


M Y先生よろしくお願いします。
Y先生 よろしくお願いします。

M この記事を読む人に対して先生のことを簡単に教えていただけますか?
Y先生 うーん、一番近い言い方をすると初任者指導の先生ですね。

M 初任者指導?
Y先生 はい、それのICT支援に特化した感じです。

辞令をもらう本務校があり、決まった曜日に決まった学校を周りICTについて先生に指導するような仕事ですね。

M ICT支援員に近い印象ですね。

Y先生 そうですね。本来そういったICT支援のために活動する役目です。
また、ハイパーブレインさんでは授業に対して実質的なサポートはできても、授業作り自体は難しいかと思います。

M そうですね。私たちからは基本的に〇〇ソフトは~の機能があります。とか◇◇の機能を使えば□□の授業に利用できますといったご提案はできますが、先生に授業プランがあってこそだと思います。
Y先生 ソフトの機能を理解しても、授業プランを考えることが難しい。
そこで私がその授業プランを支援することになります。
『~の機能を使えば○○の教科に□□のように使えば子供たちが◇◇といった学びの姿に到達しますよ』という教員から子供たちへの目線で支援をさせていただいています。
それ以外にも、すこし違うところで例えば情報モラル講習の講師をやったりとかICTに関しては多方面で支援しています。

M なるほど、そうなると先生としては気になってくるのはGIGAスクール構想だと思います。
既に各メーカーからある程度の情報は出てきています。
ただ、まだはっきりしていない部分も多いのでOSはどれがいいかとかPCはどれにするか、などはとりあえず置いておいて、児童生徒一人一台の時代が来るにあたり、先生目線で見たときの課題や問題点などはありますか?
と言われても山ほどあるかと思いますが。

Y先生 いや、実は課題も問題点も要約すれば一つだけなんです。(笑)

M 一つだけですか!?
Y先生 はい!一つだけ。それは教員のリテラシーです。

M ああ!なるほど。確かにICT活用ということであれば一番よく聞く言葉です。
しかし、リテラシー、リテラシーと言われても記事を読む人も耳にタコができるほど聞いていると思います。
具体的に先生が考えるリテラシーとはなんでしょうか?
Y先生 世界基準です。

M 世界基準?
Y先生 はい、私の考えるリテラシーは世界の中のルールや約束事を守ることです。
そして、そのルールや約束事の中で日本人らしいを表現していく。
しかし、残念ながらなんとしても自分たちのルールを曲げたくない先生がかなり多いのが現状です。

M なるほど……
Y先生 具体的な例だと、B4サイズを使いたがっている先生がまだ多くいることです。

M B4ですか……
Y先生 はい、Bサイズの用紙というのはあくまで日本の規格です。
総務省からも各学校、各自治体にAサイズを利用するよう通達が出ています。
通達が出た時点で各学校はAサイズへの移行に動きましたが残念ながらいまだにBサイズのプリントを配っている先生がいるんです。

M こだわりなんでしょうか?そこまで悪いイメージはないのですが
Y先生 この問題は根がかなり深く、昔から問題だと思っています。
まず一つ、コストの問題です。

M 確かにAサイズだけであればBサイズの用紙を買う必要はなさそうです。
Y先生 それに加えプリンタ側のコストが上がるんです。

当時はAサイズのものはAサイズしか印刷できず、Bサイズを使用する場合はA3対応のものが必要でした。かなり高価なものでした。倍くらい違ったんです。

M なるほど……
Y先生 次の問題点、それは子供のノート、机がBサイズだったんです。

教科書も当時はBサイズでした。


M 確かに私が子供のころはBサイズの教科書でしたね。
Y先生 そうです。机に至っては現在もBサイズのものを使用している学校があります。しかし、リテラシーの高い自治体、学校は教科書がAになった段階ですぐにAサイズの机に買い替えたんです。

M ああ、なるほど。ここでリテラシーが出てくるわけですね。
つまり、その時点でBから離れられなくなっているということが問題ということですか?

Y先生 いや、離れていても離れていなくてもそこは問題ではないんです。

子供のノートがBサイズです。先生はプリントでBサイズを印刷します。

M ちょうどいい感じに思えますが。
Y先生 違うんです。あまりにぴったりすぎてはみ出てしまうんです。
結果、子供たちは用紙の周りをちょっと切ってノートに貼っていました。
もし、これがA5で印刷してあげていればノートに空きができますしプリントでいっぱいだったノートにメモ欄ができたりします。



M ああ!確かに!

Y先生 リテラシーの話に戻しますが、コストについてもプリントについても『他者意識をもっているか』が分岐点だと思っています。
つまり、思いやりの意識ということです。
コンピューターがネットワークにつながった瞬間にこの意識が根源になるのだと私は考えています。

GIGAスクール構想実現のための課題は何より”教員のリテラシー”が必要……それは他者意識を持てるか。大事なことであることは確かにわかりますがかなり難しい課題のような気がします。今回はここまで。次回はその課題への向き合い方について伺いたいと思います。

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