支える人が、未来をつくる
2025年(令和7年)10月1日付で常務取締役に就任いたしました大江香織です。
2010年(平成22年)4月にパートタイマーとしてハイパーブレインに入社してから、14年。新たな節目を迎え、ここで改めて私が、ハイパーブレインが、どのような思いで仕事をしているか、ご確認いただきたくこの文章を書きました。
「支える」という仕事
私は、子どもたちに関わるのがとても好きです。子どもたちは全員未来への可能性を秘めており、教育は国の羅針盤、子どもたちは国の宝だと思っています。そんな子どもたちが、楽しく学ぶことのできる環境を作りたい、そのためにはまず教育のプロである先生方にもっと余裕を持っていただく必要がある。ICTの専門的なことを先生はすべて覚えなくていいから、代わりにそれを私が引き受けたいーーそう思っていた、乳飲み子を抱えてリーマンショックによる雇い止めに遭った私を、ハイパーブレインは採用してくれました。
私がハイパーブレインに入社して初めて携わった仕事は「豊田市ヘルプデスク」でした。ICTに関するすべての問い合わせを学校から受け付け、適切に切り分け、対応する部署です。先生方は困らずにすぐ電話をください、と言い続け、「大江さんが出てくれてよかった」「こんなこと聞いちゃいけないかもしれないけどね」「(そんなことないですよ、なんでも聞いてください。わからないことは人それぞれです、という言葉に対して)いつもそう言ってくれるから本当に聞きやすいよ」と言っていただけることは本当にうれしいことでした。
職員室のネットワーク不通をご一緒に解決できた時は電話口で手を取り合ったかのように「直りました!!!!」「本当に良かったです!!!!」と喜びあいました。少しずつ信頼を積み重ねて、豊田のヘルプデスクは「もうなくてはならない」と言っていただけるようになりました。あるのが当然、なくなったら非常に困る。教育委員会は異動が多く、事業の継続性に困難を抱えることがよくありますが、我々ヘルプデスクが一貫してご支援することで、それも回避することができています。
「教育の情報化」は長い間デジタイゼーションの段階で足踏みしていました。半端にデジタル化される仕組みは連携に乏しく、余計に負担感が増し、「ICTなんてお荷物。いらない。余計に大変になるだけ」という風に先生方が思ってしまった状態でした。私は、なんとか全体を通したICTの設計ができないかな、とずっと考えていました。知識に乏しく、予算の制約も大きく、そういうことを言えば「現実を見ろ」と一喝される日々。それでも、私はチャンスがないかと考えていました。そんなある日、「1人1台」が唐突に実現することになったのです。
教育の情報化を、次のステージへ
GIGAスクール構想。それまで「3クラスに1クラス分」の予算を取るだけで四苦八苦していた状況が一変しました。コロナ禍という時代の背景もあり、驚くほど急速に子ども1人1台の時代がやってきたのです。
ネットワークとアカウント、1人1台のタブレットが「何の支障もなく」使えてこそ、全体のシステム化が進みます。それを実現している自治体は、軒並み「教育の情報化に関する実態調査」で「ICTを活用して授業できる教員」が飛躍的に増加しているのです。
その状態になったらしめたものです。先生方はより高度な活用を模索し、より高度な授業を追求し始めます。ICTをどう授業に活用するか、という試行錯誤から、何のために活用するか、何を実現したいのか、誰が活用するのか、というより高度な授業へとアップデートが始まります。何もかも足りない状況で、工夫する先生が苦労して切り開く細い道も大切ですが、着手できる人数が増えれば増えるほど加速度的に物事は進みます。衣食足りて礼節を知るのと同様、ネットワークとアカウントが足りて活用が進むのです。
学習指導要領解説や、文部科学省の会議で繰り返し出てくる「誰一人取り残さない」「個別最適な学び」というフレーズ。担任一人で40人の子どもを取り残さないのは至難の業ですが、ICTを活用することで、先生ご自身の気づきを得たり、それを共有したり、一緒に教室に入る大人とフィードバックを交わしたりすることが容易にできるようになりました。
多様な学びを多様な大人が支える仕組みが、ICTの活用で出来上がりつつあるのです。
現場の知恵を、経営の力に
ハイパーブレインは1999年の創業以来26年一貫して、現場で先生方とご一緒に教育の情報化を進めてまいりました。我々の基本はあくまで現場です。現場で事件は起き、現場で解決する、それが他の現場で起きないようにするにはどうしたらいいか、ということを考え、徐々に規模を拡大してきました。
新社長の野村をはじめ、今回新たに経営幹部となった取締役会のメンバーは、全員現場を熟知しています。(熟知しすぎて現場で頻繁に見かけます。)現場の声を、社員の声はもちろん、先生方の声を、教育現場にいる人たちの声を、意思決定に反映し、社会に還元することができる立場にあります。
「良いご支援をしていれば自ずと結果はついてくる」これは間違いのない言葉ですが、ここから更に一歩踏み込み、「良い教育を実施できるご支援とは」「良い教育とは」と考え、より視野を広く持ち、経営に活かしていきます。
豊かな社会と会社を両立させる
我々は「教育を支える会社」です。その会社が、適正な利益を得て、健全な経営をし、社員を豊かにすることができれば、社会はどんどん豊かになります。社員に渡せる利益が出てこそ、会社は発展します。ハイパーブレインは、利益を得ることを正しく実行しながら、それを社員と社会に還元できるように業務を続けます。
その利益をもとに、我々の思う「良い教育を実施できるためのご支援」を、できる限り多くの場所へお届けしたいと思っています。ある社員が、営業時お客様に向けてこう言いました。「こんなに大変なご苦労をされていたのですね。申し訳ありません。今までハイパーブレインがご支援できなかったことを深くお詫びいたします。ハイパーブレインがいれば、こんなご苦労は絶対にさせません」
ハイパーブレインはそのような思いを持つ社員を多く育て、次世代の教育の情報化を担う人材を育成いたします。コンピュータ室にしかパソコンがなかった長い時代は終わりました。1人1台手元にある今こそ、ICTを活用して、先生方がより良い教育を実施できるために、伴走しながらご支援を続けてまいります。
GIGAスクール構想とデジタル学習基盤
何もないところから力強く飛び立てる力をお持ちの先生あるいは行政職の方は、支援があろうがなかろうが、どんどん高みを目指されています。ただ、例えば、体操選手が難しい技を習得しようとしたときに少しだけコーチの補助があるのとないのとでは、習得に大きな時間の差が出るように、支える人、基盤があればこそ、飛び立てる人も多くなるのでは、と思います。挑戦する人が安心して挑戦できるよう、ハイパーブレインは教育の情報化という「子どもたちの未来をつくるインフラ」を支えていきます。
子どもたちが楽しく学べる世界をつくるために、GIGAスクール構想が始まりました。既に1人1台とネットワーク、アカウントは学びを支えるために欠かせないデジタル学習基盤となっています。
ハイパーブレインは、大江は、これからも子どもたちが楽しく学べるよう、活動してまいります。2016年からずっと毎週1回書き続けてきたHBI通信は、これからも、難しい政策や資料を「現場の言葉」で読み解き、未来を支える人たちに力を届けていくブログとして月に2回程度お届けする形へとリニューアルいたします。
現場と社会をつなぎ、誰も取り残さない未来を描くために、私たちは「支える」という立場から、日本の教育を変えていきます。
教育の情報化に貢献し、豊かな社会と会社を作る。教育の情報化で誰一人取り残すことのない未来をデザインする会社となる。
その想いを胸に、新しいHBI通信を始めます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿者プロフィール

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株式会社ハイパーブレインの常務取締役です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。






