教育ICTガイドブックのご紹介その6 広尾学園のICT活用は「受験」に多くの変化をもたらしています

皆さんこんにちは。
総務省先導的教育システム実証事業 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/sendou.htmlに公開された、「教育ICTガイドブックver1」(リンク先PDF:約22MB) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdfの内容をご一緒に確認させて頂きたいと思います。

再生のイメージ

この資料は、40の事例の「事例編」と、クラウドのすゝめである「手順編」で構成されています。
事例は丁寧に書かれており、とても参考となるものばかりですので、どうぞお付き合いください。

事例5つめは、「ICTの継続的な活用により大学進学にも成果」(広尾学園中学校・高等学校http://www.hiroogakuen.ed.jp/ 東京都港区)です。

 私立中高一貫校ですから、様々な独自の方法でICTを活用しています。
 コース別に端末が指定され、入学時に各家庭で購入、設定は学校で行っているとのことです。
 iPadの子供もいればMacbook Proの子供、Chromebookの子供もいるということですね。
 全校生徒1650人が接続しても大丈夫なWi-Fi設計と、クラウド上の教育支援サービスのIDを全生徒に配布するという基盤を整備したうえで、日常的に活用を行っているという状況です。
 使えることが当たり前、という上で使いたいときに使いたい子どもが使える、という授業のスタンスはICTの最も必要な活用だと思います。導入したからには使わなければならない、ではなくよりわかりやすく、より理解しやすいように使うことは重要ですね。
 私立激戦区東京都にあって、中学受験で有数の受験者数を誇る同校の大学進学実績も右肩上がりです。それにもICTが大きくかかわっていると述べられています。総務省の出す資料で「大学進学実績」を売りにしている、というところも革新的ですが、保護者や生徒にとっては切実に訴える内容ですね。

進学率グラフ

「教育ICTガイドブックver1」(リンク先PDF:約22MB) http://www.soumu.go.jp/main_content/000492552.pdf
より引用

 中学受験のための小学生とその保護者も多く訪れる同校の文化祭は中1から全員が多くの観客の前でプレゼンテーションを行うとあります。
発表をする場、というのは貴重な経験ですよね。
自分の発表に対する反応を見てどうすれば伝わるのかわかる、他の人の発表を見てよい点をどんどん盗むなど1回の発表でとても多くの重要な学びを得ることができます。

 生徒の意欲、やる気を引き出すという意味でもICT機器は非常に活用されているということがわかります。
 すべてがICTにとってかわられるわけではなく、ICTを活用したほうがよい場面(英語の論文を検索して読む、理系論文に使われる英単語の意味をライフサイエンス辞書https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl で調べる等)で活用することで、教員と子どもたちがそれぞれ「こうなってるけど本当なのか」と話し合う時間が増える、という効用があるわけですね。
 上手に目的意識を持たせてICT機器を子どもたちに渡せば、驚くような活用をし始める、そういう発見があったと広尾学園の実践研究発表でお話がありました。

 11月4日に瀬戸市で行われるICT教育シンポジウムhttp://seto-spirit.club/ictsynposium/synposium-outline/ にも広尾学園の金子先生が実践発表をされるということで貴重なお話を聞ける機会だと楽しみにしています。

 皆さんの自治体も一歩を踏み出すために、何をどうしたらよいか、というところからご支援させていただければと思います。ご遠慮なくお問合せください。

 次回も事例のご紹介を続けていきます。

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