<常駐支援日記 1月号>-無線LAN導入の最初の一歩–

新年あけましておめでとうございます。情報システム常駐支援を行っているYです。
1月となり寒い日が続いていますが、学校・教育現場におかれましては4月に機器の年度更新を実施されるところも多く慌ただしくされているかと思われます。今回は無線LANを導入される際の参考になるような情報をご紹介させていただきます。

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 昨今では、学校現場での無線LAN環境の整備率が約40%ともいわれ、無線LAN環境が整ってきている教育現場も多くあるかと思います。
ですが今回は、その中でも初めて無線LANを整備し始めようとする場合などに参考になれば、ということで基本的な部分として、以下に情報をご紹介させていただきます。

さて、いざ無線LANルーター(アクセスポイント)を導入する場合、教室に取り付けようとした際には、いくつか考慮すべき点があります。
その中でもアクセスポイントの設置場所は重要です。設置場所が悪いと無線LAN環境を導入しても、電波が障害物等により届かなかったりすることがあります。
特にコンクリートや水槽、金属ラックは電波の妨害となりやすいため、そのような物が電波を遮らない場所に設置することが大切です。
また電波は円形に広がるため、床に近いところに設置するより、天井に取り付けた方が電波の広がる範囲が増え、無線が接続しやすくなります。
特に学校環境で考えた場合は、接続テストを実際に行って導入することが失敗しないことにつながってきます。

また、無線LAN環境整備の際に注意すべきもう一つの点は、電波干渉です。
無線LANの電波は主に2.4GHzと5GHzの2種類の周波数の電波を使用しており、その中でも2.4GHzの周波数は家電等様々な電気機器で使用されているため、電波干渉を起こしやすい周波数といえます。
一方5GHzは一般家庭で使用可能な機器は無線LANしかなく他の機器と干渉することはほとんどありません。ただ障害物に弱く通信範囲が狭いといったデメリットもあるため、設置する環境によって選択する必要があります。(必要に応じて双方の周波数を同時に利用することもあります)
学校現場では電子レンジが干渉することは少ないかも知れませんが、周辺環境だけでなく他の電気機器の影響を受けることもあるので、前述した接続テスト・現場調査の重要性は高いと言えます。

次は無線LAN環境で使用する通信規格も検討する必要があります。現在無線LANで使用できる代表的な規格は11b、11g、11a、11n、11acがあり、新しい規格である11ad、11axを搭載した商品の開発も進められています。
11bと11g、11aは旧来の規格であり、通信速度も遅いため、現在はほぼ他の規格に内包されるか代替されています。そのため、現実的な選択肢は11n、11acになるかと思われます。
なお、速度だけを見るのであれば現在普及している規格の中では11acが一番早く、規格上は最大で9.6Gbpsの速度が出ます。
次に早い11nの最大速度600Mbpsと比べても大きく違いがあります。だからといって11acの通信規格を選べばよいのかと問われると、一概にそうではありません。
11acが使用する周波数帯は5GHzとなるため、2.4GHz規格の機器を接続する必要がある場合には、どちらも利用できるように設定することも必要になります。

次に、無線LANに接続する機器をどのように設定するか、管理するかということも無線LAN導入の際には検討が必要です。
「誰でもつないでいい」、ということにはならないため、SSIDの設定とともに、事前暗号化キー(いわゆる無線LANパスワード)を設定することは当然ですが、機器のMACアドレスを事前登録した場合にのみ接続可能とするMACアドレス認証や802.1x認証と呼ばれる証明書やユーザーアカウント認証を検討することが必要になることがあります。
無線LAN導入の際には、規模や運用に合わせて、運用計画や整備計画、管理計画が必要になります。そういった計画策定や情報収集のご支援をさせていただくことも常駐支援として実施させていただいております。参考になれば幸いです。

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このような形で今後も月1回お届けしようと思います。常駐支援について、参考になれば幸いです。ご意見、ご質問等をどうぞよろしくお願いいたします。

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