教育の情報化に関する手引き 第8章 学校におけるICT環境整備について

皆さんこんにちは、教育の情報化に関する手引き第8章は「学校におけるICT環境整備」について述べられています。
行政職の皆さんには具体的な機器名やどの教室にどのような機器を配備するか、それぞれのメリット、デメリットについて述べられていますので特に役に立つ章ではないでしょうか。ビジネス用ではなく教育用、授業で使用する機器についての視点で書かれていますので、とても参考になると思います。

普通教室には「プロジェクター」「実物投影機」「電子黒板」「デジタルテレビ・大型ディスプレイ」「デジタルカメラ」が考えられますが、もちろんプロジェクターと電子黒板とデジタルテレビを同時に整備するのではなく、それぞれの特性、採用した場合のメリットデメリットを比較して選定していくのが重要です。
179ページ
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1259416_13.pdf)にはプロジェクターの選定時に考慮すべきことが書かれています。

種類 メリット デメリット
可搬型(持ち運びできる) 移動できる
メンテナンスが簡単
比較的安価
準備に時間がかかる
配線等で安全面に配慮の必要
固定型(天井等に固定) 操作が簡便
子どもが届かないため安全
破損しにくい
移動させられない
メンテナンスに時間がかかる

例えばプロジェクターは必ずスクリーン様のものが必要です。黒板に映せるタイプのプロジェクターもありますが、白いスクリーンに映し出されたものとはどうしても違いがあります。

そうすると、授業前の準備として少なくとも

    • ・プロジェクター
      ・(ノート)パソコン
      ・スクリーン
  • をセッティングする必要があります。

    常設型の場合は(ノート)パソコンを持ってきて、スクリーンを出せばよいくらいで済みますが、可搬型は

    • 1. 運んでくる(あちこちで使えないと可搬型の意義がない)
      2. 配線する
      3. スクリーンを設置する
  • ということが必要です。しかも教室は狭く、入り口にはほぼ段差があります。休み時間が5分の学校もあります。

    簡単に運べて簡単に配線し簡単にスクリーンを設置できたうえで安全を確保できるようなアイディアを考えて導入してこそ機器の使用率が上がり、導入効果が大きくなるというわけですね。

    次にコンピュータ教室、特別教室、と紹介されていますが特筆すべきは「普通教室」が一番最初に紹介されているということです。「わざわざコンピュータ教室に行く」ICT活用から「普通教室での活用」にシフトしたことがわかります。

    また、機器の選定のほかにも教育用ソフトウェア整備、校内LANやインターネット接続環境など、導入時に考えて押さえるべきポイントが解説されています。特に187ページhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1259416_13.pdfでは校内LANが整備されている場合と整備されていない場合についてのイメージ図が書かれています。これはとてもわかりやすいですね。
    「データのやり取りはUSBメモリを使う」はネットワーク未整備の場合によくとられる手段ですが、自分がネットワーク整備された環境にいるとなかなか気づかないものです。セキュリティの関係上USBメモリでのやり取りはやりたくない人も多いですがそれ以外方法がなければやらざるを得ません。

    「なぜできないのか」「何を整備したらよくなるのか」「そのためには何を考えるのか」ということが書かれた第8章は特に読んでおいていただきたい部分です。

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