令和の日本型教育とは31

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

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本日は第3部「新時代に対応した高等学校教育 等 の在り方について」各論の1「3定時制・通信制課程における多様な学習ニーズへの対応と質保証を読んでいきます。」を読んでいきます。

定時制・通信課程については、勤労青年のみならず、多様な生徒が入学している実態にきめ細かく対応し、ということから答申は始まっています。

個々の生徒の状況に応じた学習活動や生徒指導、教育相談、進路指導など、多様な生徒がいるからこそ多様な対応が求められます。様々な外部専門家とも連携し、協議を行うための職員の配置促進等を図ることが望ましい、とあります。外部専門家と協働の得意な先生を配置するということですね。また、そういう先生を育成していかなければなりません。

通信教育の質の保障にも言及されています。最初に「関係法令を当然に順守」ということが述べられているということは、ともすると法令を順守することが難しい状況がある、ということですね。

通信制だから、ということで不適切な学校運営や教育活動が実施されてはならないということです。それを防止する観点からも情報公開を義務化する、ということなどが述べられています。

続いて、4 STEAM 教育等の教科 等 横断的な学習の推進 による資質・能力の育成 を読んでいきましょう。

STEMではなく、STEAMというところがポイントですね。ScienceTechnology Engineering Art Mathematics という要素です。人材育成の側面と、市民の育成の側面がある、と言っています。STEAM教育の特性を生かし、実社会につながる課題の解決等を通じた問題発見・解決能力の育成や、レポートや論文、プレゼンテーション等の形式で課題を分析し、論理だてて主張をまとめること等を通じた言語能力の育成等これから必要となる能力が紹介されています。

社会に開かれた教育課程、というところとSTEAM教育はよくなじみます。社会とのつながりをより科学的に実践していくことがSTEAM教育には含まれています。

高等学校の新学習指導要領で「総合的な探究の時間」や「理数研究」は、STEAM教育の狙いとするところと多くの共通点があることも指摘されています。世界的にもSTEAM教育は推進されており、日本も高等学校でそれを推進していこうということですね。ただ、何事も二元論に陥るのではなく(STEAM教育をしないなんて!!! という話ではなく)よりよい教育のために新学習指導要領の着実な実施と、その中で述べられている教育を実施する手段としてのSTEAM教育を融合し、もっと良いものを作り出していこう、と考えることが重要だということですね。

次回は第3部「新時代に対応した高等学校教育 等 の在り方についていて」各論の5高等専修学校の機能強化を読んでいきます。

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