プログラミング授業と子供たちの考え方の多様性

こんにちは、ICT営業担当のSです。 

小学校でのプログラミング授業を含めた新学習指導要領が2020年にスタートしました。GIGAスクール構想で、端末も充実し、プログラミング教育についても取り組みが重視されていますね。

一口にプログラミング授業と言っても学校や自治体によって様々で、mblock、CodeyRocky、MESHを始めとしたプログラミングロボット等の教材や、Scratch、Viscuitなどの画面上で動作が確認できるソフトなど、それぞれが創意工夫を凝らしたプログラミング授業が行われています。

先日、とある学校で外部講師として招かれ、下記のような内容のプログラミング授業を行いました。
念のため申し上げますが、ICT支援員の活動の範囲内ではなく、GIGAスクールサポーターの活動の範囲内でもなく、今回はあくまで「外部講師」ですので、その点をご了承ください。

先日、とある学校で外部講師として招かれ、下記のような内容のプログラミング授業を行いました。
念のため申し上げますが,ICT支援員の活動の範囲内ではなく、GIGAスクールサポーターの活動の範囲内でもなく、今回はあくまで「外部講師」ですので、その点をご了承ください。

プログラミング授業の概要

  • 1クラス45分×2時限
  • 最初の30分程度でビジュアルプログラミングの操作方法について員で触りながら説明
  • 残り15分でCodeyRockyというプログラミングによって動作するロボットを使用し、LEDを光らせる、前進する、声を出すといった基本操作の説明と実際の操作
  • 2時限目は「このプログラミングロボットを使用して、迷路を抜けて出口に進ませるにはどうしたらいいのか」という課題を子供たちに与え、迷路の構造を確認しながらどう抜け出すのかを2人~3人程度で構成されたグループで試行錯誤の実践
  • 迷路自体はホームセンターで売っている木の板を使用し、 学校ごとに使用できるスペースが異なるため毎回構造を考えながら作成
  • スタートからゴールまでを右折、もしくは左折でたどり着けるよう作成
  • ヒントはほぼ無い状態で挑戦(45分ゆっくり時間を使って試行錯誤できるよう)

これまでに4、5校で外部講師としてプログラミング授業を担当させて頂きましたが、当初は途中で「右折、左折でゴールできるようになるよ!」という説明を行い、子どもたちみんながゴールできるようにしていました。しかし、プログラミング授業の本質として望ましいのかを疑問に感じ、今回は時間ギリギリまでヒントを出さないと決めて授業に臨んだところ、子供たちが自由な発想で攻略法を試行錯誤する姿が見られ、最終的にすべてのグループで迷路を攻略できていました。

子どもたちが課題に対して行った試行錯誤

  • 迷路の上に立って、どういう動きでゴールまで進めるのかをロボットになって試してみる
  • ロボットが1秒でどれだけ進むのかを確認して、何秒でどの距離を進めるのか確認する
  • 斜めに行ってもクリアできるのか試してみる

プログラミング授業は取れる時限数が少ないということもあり、「プログラミングソフトの操作説明、ロボットの動かし方、プログラムの組み合わせ方の説明」になってしまうことが多く、「画一化した組み合わせの指導」になってしまいがちだと感じていました。

この「迷路を脱出する」という例の場合、子どもたちの自由な発想からの攻略ではなく、「前進し、障害物に当たった場合、右折/左折して進めばゴールできる」という1つの回答にたどり着くようヒントを出していたことが、方向性を決めてしまっていたのかなと感じました。このあたりを、先生方ともう少し事前にお話しできていればよかったなと思います。

プログラミング授業の目的は「プログラミング的思考」を育むこととされていますが、一つの側面として、「自分なりの答えを試行錯誤して見つける、上手くいかない場合は相談してできるかどうか確認する」といったものがあると思います。

一方で、「真っ白な状態から自分で自由に作ってみよう」というと、プログラミングに興味のある子以外はみんなお絵描きになってしまって授業が進まない、という側面もあり、子どもたち一人一人の考える力を制限しないようにしながら、プログラミングを楽しく学べるような創意工夫を常に考えていく必要があるのだと感じました。

今回は私自身が外部講師としてプログラミング授業に取り組んで感じたことを記事にさせて頂きましたが、まだまだ始まったばかりのプログラミング授業を、どう構成していくか悩まれている先生も多く見えると思います。ICT支援員の立場として、先生方が描く授業を実現できるよう、一緒に考え、少しでも力になれればと思っております。

私たちが考えている以上に子供たちの考え方・可能性は無限にあり、面白いとさえ思います。それを高められるせっかくの機会なので有効に活用していきたいですね。

投稿者プロフィール

株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレイン
株式会社ハイパーブレインです。
教育の情報化に貢献し,豊かな会社と社会を作ります。