令和の日本型教育とは45
皆さんこんにちは。
「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。
この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。
本日は第9部「Society5.0 時代における教師及び教職員組織の在り方について」の続きを読んでいきます。
多様な知識・経験を有する外部人材による教職員組織の構成等
答申の冒頭では「より多様な知識・経験を持つ人材との関わりを常に持ち続ける組織や,当該人材を取り入れた組織であること」が大事だと言っています。学校の先生になるためには、特に小学校では小学校の教員養成課程を持つ教育学部で学んで教員になる人も多く、「同じような背景,経験,知識・技能をもった均一な集団」となってしまう可能性もあることが示唆されています。
学校にお伺いして、先生方と働いていると「本当に先生方はいい人たちだなあ、性善説だなあ」としみじみ思うことがあります。「子どもたちが」というとどの先生も何をさておき飛んで行かれます。その価値観は非常に尊いものです。その部分がどうこうというわけではなく、多様な価値観を認めるためには、集団が多様であり、お互い認め合っている必要がある、という観点は重要だなと思います。
新学習指導要領では「社会に開かれた教育課程」が掲げられています。学校内だけではなく社会に開かれた、という視点が必要だということですね。ただ、「やりましょう」だけでできるならそんなことはとっくに実現されています。だってその方がいいのですから。そうなっていない理由が必ずあるわけです。
学校外の人材を活用していく、という議論で問題になるのは、「学校に入る人材=教員と同等の子どもに対する愛情や発達の知識等がある」という前提ができてしまっているというところだと感じています。多様な人材を学校に投入し、専門的な知見を活かすための前提は、様々な事業を通して知見がたまっているところです。これをぜひ全国的に共有できるといいですね。
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「学校外部の人材を活用していくに当たっては,学校現場に参画するために様々なルートを確保しつつ,学校側のニーズや学校で働くことを希望する者のニーズに対応して,最適なルートを今まで以上に活用しやすくすること」が大事だと答申には述べられています。
ここで、教員免許についての提案があります。教員免許を持たないものが教壇に立つために、どうすればよいかということですね。
教員免許更新制の実質化について
免許更新の負担感について述べられています。コロナ禍もあり、見直す必要がある旨が述べられています。
これまで実施してきた免許更新の分析等を実施したうえでどうしていかなければならないか、ということを書いています。どのようなものでも実行したからには「どうだったか」という振り返りが重要ですね。行政職の皆様も何か実施した後必ずその成果は、等の資料を作成されることだと思いますが、それを実施してよりよい教員の知識のブラッシュアップの方法を考えていく必要があります。
教師の人材確保
長い長い答申もいよいよ最後となりました。一番最後に述べられているのは「近年,採用倍率の低下や教師不足の深刻化など,必要な教師の確保に苦慮する例が生じており,教育の仕事に意欲を持つより多くの志望者の確保等が求められている」です。
お聞きした範囲では、都市部で「年度当初から担任が足りない」というような状況が増加しています。残業代が支払われず、とてつもない残業が発生している、という実態が明らかになった等様々な事情があると思います。
答申で述べられている対応方法は
- 教職の魅力を発信する取組を促進
- 学校における働き方改革の取組や教職の魅力向上策を国として収集・発信する
- 民間企業等に就職した社会人等を対象として 教職に就くための効果的な情報発信等を行うこと
- 受験年齢制限の緩和や特別免許状を活用した特別選考
- 高い採用倍率を維持している教育委員会の要因を 地域特性等も踏まえつつ分析・ 共有すること
です。ここの部分は、もっと大胆な施策を取るためには議論が煮詰まっていないという印象です。
大事なことは全部書いておかなければならないため、ボリュームがものすごい答申になっています。来週は、これらのテキストデータを分析して、どのようなことが見えるか確認していきたいと思います。データクレンジングに時間がかかりそうですが、乞うご期待!
投稿者プロフィール
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株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。
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