教育振興基本計画25

皆さんこんにちは。

令和5年6月、新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。

そもそも教育振興基本計画とは、「教育基本法(平成18年法律第120号)に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法第17条第1項に基づき政府として策定する計画です。」と説明にある通り、政府が教育をどのようにしていくか、という施策のもとになるものです。

特に行政職の皆様はしっかりコンセプトや計画を確認して、ご自分の自治体の施策にご活用いただければと思います。なぜなら、予算が通りやすいからです。自治体独自の施策を実施しようとしたときに、「教育振興基本計画のこの部分に則っています」という説明は大変有効ではないでしょうか。

本文のボリュームも多く、新しい言葉も次々出てきますが、ゆっくりご一緒に確認していきましょう。

Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策

(目標、基本施策及び指標)

目標8 生涯学び、活躍できる環境整備

人生が100年ある、という時代は人類の歴史の中でもごくごく最近の出来事だと思います。

定年が65歳まで伸びる企業も増えましたが、それ以降の人生もとても長い状態になるということですね。

何歳になっても学べる、学びを活かして働ける、活躍できる環境というものは、自然にできるものではなく、意識して努力してできるようにしていく必要があります。

多様な世代への多様な学びを提供できる社会は、とても豊かな社会でしょう。それらを実現していくための施策は以下の通りです。

  • 大学等と産業界の連携等によるリカレント教育の充実
  • 働きながら学べる環境整備
  • リカレント教育のための経済支援・情報提供
  • 現代的・社会的な課題に対応した学習等の推進
  • 女性活躍に向けたリカレント教育の推進
  • 高齢者の生涯学習の推進
  • リカレント教育の成果の適切な評価・活用
  • 学習履歴の可視化の促進
  • 生涯を通じた文化芸術活動の推進

学んだことが、ステップアップの一助になる、という社会になると、働きながら学べる機会が多くなり、より高度な深いことができるようになりますね。仕事をしていくうえで、知識と経験の両輪が揃うととても仕事がやりやすくなります。毎日の実践で経験を、学び直しで知識を得られるようになると、どんどん効率が上がり、働いていて楽しい、という状況を作りやすくなると思います。

そういう社会の実現のための指標として

  • この1年くらいの間に生涯学習をしたことがある者の割合の増加
  • この1年くらいの間に行った学習の理由として、「①家庭や日常生活に生かすため」、「②人生を豊かにするため」、「③健康の維持・増進のため」、「④教養を深めるため」、「⑤他の人との親睦を深めたり、友人を得たりするため」、「⑥地域や社会における活動に生かすため」を挙げた者の割合の増加
  • この1年くらいの間の学習を通じて得た成果を仕事や就職の上で生かしている、又は生かせると回答した者の割合の増加
  • 国民の鑑賞、鑑賞以外の文化芸術活動へのそれぞれの参加割合の増加

と4つ挙げられました。生涯学習や文化芸術活動が、心を豊かにし、生活を豊かにするものであると、とても良いと思います。

来週は教育振興基本計画Ⅳ.今後5年間の教育政策の目標と基本施策の(目標、基本施策及び指標)の続きを読んでいきます。

投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。