令和の日本型教育とは42

皆さんこんにちは。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)が令和3年1月26日に中央教育審議会より出されました。

この答申を少しずつ読んでいきましょう。今までチュウキョウシントウシンとカタカナで聞こえていた内容が、中教審答申と漢字で聞こえるようになるように、行政職の皆様も知識を蓄えていっていただければと思います。

本日は第7部「新時代の学びを支える環境整備について」を読んでいきます。

基本的な考え方

答申では、何度も繰り返し述べられている「GIGAスクール構想」の実現を前提と明日新しい時代の学びを支える学校教育の環境整備を図ることが必要である、ということが最初に書かれています。

同じことを何度も何度も書いている、ということは、それぞれの分野でそれぞれ必要なことであると同時に、縦割りだけではなく横ぐしもさして考えられている答申だということが言えますね。

大事なことは何度も書いて、大事なんだよ、というアピールがされています。

新時代の学びを支える教室環境等の整備

まずは、机について述べられています。新JIS規格での机(今までより広い、自由度が高い)ものの使用等が書かれています。とはいえ新JIS規格は平成11年に制定されており、当然そのころにはGIGAスクール構想など全く想定されていませんから、机の上に乗るものが格段に増えた現在、再度考えることは必要だと感じます。教科書(B5サイズ)ノート(B5サイズ)筆箱、GIGA端末(少なくともB5サイズ以上)と隙間なく並べても既にB3分は必要です。まあ大体机が埋まるよね、というイメージです。

新JIS規格(JISS1021)に関してはこちら https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?toGnrJISStandardDetailList (会員登録しないとみられませんのでご注意ください)

そのほかにも、図書の充実や、空調設備の設置促進、バリアフリー化など、今の学校に足りない部分の指摘が続きます。どれだけお金をかけても満足、という状況にはなかなかなりませんが、せめて大人が働いている環境くらいの環境整備は実現させたいと思います。役所は大人が働いていますから、空調が入っていない部屋などないでしょうし、40年前のトイレが和式のまま放置されている、ということもあまりないでしょう。

新時代の学びを支える指導体制等の計画的な整備

環境を整備する、と言っても、安く手早く済ませてしまうわけにはいかない事情が学校にはあります。避難所として指定されている学校は多いですね。

きめ細かな指導の充実、新しい生活様式を踏まえた身体的距離の確保を考えると、広さ、余裕も十分に必要です。

答申では、計画的な整備のために、戦略的に将来を見据えた方法で実施することが重要と述べられています。

学校健康診断の電子化と生涯にわたる健康の保持増進への活用

学齢期の健康診断およびその結果情報については、個人情報保護や情報セキュリティに配慮しつつ、迅速に電子化するべきである、と答申では述べています。他の健康診断情報とつなげることにより、人生100年時代の本人の健康づくりや医療機関受診時の円滑なコミュニケーション等に活用できる基盤となる、とも述べています。理屈としてはごもっともですね。

現在の学校では統合型校務支援システムに保健項目がある場合が多く、健康診断の結果は養護教諭を中心に手で入力され、電子化されています。

一方大人が健康診断に行くと、デジタル身長計・体重計が読み取って入力してくれることも多いですね。

学校は「先生が頑張ればなんとかできる」小さなことの積み重ねで今とても大変な状態になっています。電子化しろ、というなら手で入力などではなく(当然ミスも発生しますね)計測から電子化すればよいのです。

教育は国の未来を創る根幹の事業です。ここにお金をかけなければ、今ある財産を食いつぶして終わりです。設備に関してこの答申でこの最後にたった2Pで語られているのは、趣旨からすると仕方のないことではありますが、ここにもお金をかけることができる世の中にしていくことが必要だと考えます。

ハイパーブレインでは、予算化の際どのような資料を作成すると効果的なのか、行政職の皆様にヒアリングしてご一緒に提案資料を作成する等の教育情報化コンサルティング事業を実施しています。また、統合型校務支援システム等の校務支援についても導入・研修・運用の支援を実施しています。

ご興味がおありの方はぜひ詳細をご確認ください。

ハイパーブレインの教育情報化コンサルティング
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ヘルプデスク導入実績
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投稿者プロフィール

大江 香織
大江 香織
株式会社ハイパーブレインの取締役教育DX推進部長 広報室長です。
教育情報化コーディネータ1級
愛知教育大学非常勤講師です。専門はICT支援員の研究です。